“採用広報の全体フロー”。
今回から、3つめのステップについてご案内を進めましょう。
3つめのステップは、採用活動に『G-PDCAサイクル』を取り入れることによって、
次の採用活動を、進化・発展させてゆくための段階です。
『G-PDCA』については、別コラム「人材育成」のこちらをご参照頂ければ幸いですが、
このサイクルを採用活動にも応用しましょうというわけです。
アルバイト・パートさんの比率が高い組織やお店では、募集・採用活動の機会が、
数ヶ月ごとにやってくることも、決して珍しくはありません。
であるのなら、前回よりも今回、今回よりも次回…。
採用活動の回数を重ねる度に、そのノウハウを進化・発展させ、
より求めている人材が採用し易くなったり、無駄な時間や予算が削減される…。
そんなサイクルを、ぜひとも実現させたいのは、皆さん共通の想いでしょう。
ここで、ご質問が多いのが『KPI』という考え方。
『KPI』とは、『Key Performance Indicator (キー パフォーマンス インジケーター)』
の略で、もともとは販売や営業などの世界で多用されている考え方です。
販売戦略や営業活動がしっかり前に進んでいるのか、定量化できる指標を定め、
それを測定していくことで、次の打ち手がより明確になる…というわけです。
ここでは採用活動が進化・発展しているのかを定量的に測る “指標” ということで
例えば
・応募コスト(採用予算/応募者数)
・面接コスト(採用予算/面接者数)
・採用コスト(採用予算/採用者数)
・定着コスト(採用予算/3ヶ月以上の定着者数)
等が、挙げられます。
アルバイト・パートさんの人事制度を整えた、ある企業様では、これに加えて、
・戦力化コスト(採用予算/一定の基準を超えて戦力化した人数)
もデータ化し、更により良い採用活動を目指していたりもしますが、
以前ご紹介した「キャリアパス」の設計で、昇給した方を戦力化と定義しての事でした。
このエリア、この職種では、どの媒体で募集をすると、これらのKPI指標が良いのか。
どんなことを打ち出し、どんな写真を使うと、これらのKPI指標が良くなるのか。
それぞれの媒体の得意分野、不得意分野が明確になったり、
求人広告が回を重ねる毎に効果的なものになっていったりします。
言うまでもありませんが、このとき、ひとつだけとても大切なことがあります。
それは、「応募者数」や「面接者数」、「採用者数」や「定着者数」などを、
しっかり具体的に測定し、記録し、データとして残しておくということです。
皆さんは、その度ごとの「応募者数」や「面接者数」などをしっかり測定し、
記録して、データ化していますでしょうか?
求人広告を掲載して戴き、応募効果をお伺いしていく際、
「まあまあだね」とか、「今回はちょっと良くなかった」等、
採用できたかどうかだけの把握に止まってしまい、
具体的な応募数や面接数を掴んでいない企業様は、まだまだ多いものです。
そういう企業様ほど、採用でお悩みだったりしていますし、
採用活動を進化させ、発展させるという視点からは、
これは、とても、もったいない状況だとも言えるでしょう。
ここでは、これらを簡易に行えるよう、下記に、
・応募受付時の記入シート
・KPIデータ記入シート
の一例を添付しておきます。
<応募受付シート例>
※クリックすると拡大します
このシートは、募集を始めたら受付電話の横に置いておきます。
電話応対をしながら、このシートに記入。面接日程の予約表にもなります。
面接を完了したら、備考欄に記入。
もし、予約をしたのに面接に現れなかったら、それも備考欄に書きます。
(面接のドタキャン時に、これに記入することで、ちょっとだけ気分転換になって、
気持ちの区切りになると言われたことがあります。)
<KPIデータ記入シート例>
※クリックすると拡大します
こちらは、今回ご案内のKPIデータを蓄積していくためのシートです。
応募者数が多くても、採用に至らない。
採用者が多くても、掲載料金が高い。
客観的な、同じ土俵での指標で、どの媒体で、どんなやり方が良いのか本当の姿が見えてきます。
2012.5.23