次に、4つめの事例としてご紹介しておきたいのが、『キャリア・パスの整備』です。
『キャリア・パスの整備』とは、個々がどんな“キャリア≒経験・能力”を、
“パス≒通過”して成長してゆくか…の道筋や行程を明確にすること。
具体的には、アルバイト・パートさんの昇給や昇格の仕組み創りが代表的な例です。
何をどう頑張り、何ができるようになったら評価するのか。
そして、それは、どう“やりがい”に繋がっていくのか。
これまでも、そういった仕組み自体を求人広告に載せ、応募効果を高めた事例は、
数え切れないほど出てきています。
以前、あるお客様から、アルバイト・パートさんの給与設定について
ご相談を受けたことがありました。
そのお客様は、多店舗展開を進める中、広い範囲に100店舗以上を
展開されるまでになり、各店長の裁量だけでの給与設定や昇給のあり方に、
いよいよ限界が迫っている時期でした。
そこで、何回かに渡って店長会議やスーパーバイザー会議に参加させて頂き、
(例としてご紹介できるように、ちょっと加工してありますが)
下記のようなキャリアパス時給マトリックスと、
その職級遂行レベルの職能要件チェックシートをご提案させて戴きました。
<キャリアパス時給マトリックス> ※クリックで拡大表示
<職能要件チェックシート> ※クリックで拡大表示
これを、アルバイト・パートさんの新制度として求人広告で素材にしたところ、
その後の応募効果を、劇的に向上させる結果に繋がったのです。
ヒアリングとインタビューの結果、
このお客様の根底にある給与決定の考え方の要素は、
“職種”ד労働条件”ד勤務エリア”ד成長・成果(その方が生み出せるパフォーマンス)”
という公式となって浮かびあがってきました。
“職種”は、その仕事が生み出す価値…生産性、収益性との相関が出てきます。
“労働条件”は、その方がその条件内で働くために、店長様のシフト組みの苦労や、
短時間でも制服やタイムカードは必要など、余分なコストとの相関が出てきます。
“勤務エリア”は、一般的に、都心から離れるほど家賃などの物価が安くなったり、
店舗あたりの来店客数や客単価等の影響で、周辺の給与相場に関ってきます。
そして、“生み出せるパフォーマンス”が向上すれば、当然、
その方が同じ時間当たりに生み出せる収益も向上するので、
それをしっかり処遇に反映する。
整備されるキャリア・パスは、誰にも納得性が高く、長く運用しやすくなければなりません。
だからこそ、その基本的な考え方は、とても合理的でシンプルなものになるばずです。
“がんばったら報われる”組織。“成長することを応援している”企業。
やはり、頑張りやスキルの向上が“やりがい”に繋がる仕組みを
整えている企業様は、高い採用力を持っていると言えるでしょう。 2011.08.25