前回のご案内、みなさんはどう受け取られたでしょうか。
「目を向けるものは給与や待遇だけではない」
「アルバイト・パートさんを積極的に活用しようとする企業様ほど、多様性への対応を」
今回も、引き続き、もうちょっと掘り下げていきたいと思います。
職種の呼称、勤務日数や時間の工夫に続いて
3つめにご紹介したいのは、『イベント』の活用です。
一言で『イベント』と言っても、それは、本当に多岐に渡っています。
店舗内だけのもの、社内だけのものから、業界全体で全国的に取り組んでいるもの。
バーベキューやパーティ、ボーリングやソフトボール大会などのレクレーション系のものから、 コンテストや、そのスキルや職能の表彰系のもの。
年に一回という大規模なものから、毎月行なわれる小規模なもの。
その複合的活用も含め、さまざまな企業様が、多種多様な取り組みをしていらっしゃいます。
大手ファーストフードチェーンや、コーヒーショップチェーン、
また、流通業界で行なわれている各社の“職能コンテスト”。
これらは、度々、新聞やニュースでも紹介されているので、ご存知の方も多いかと思います。
調理や接客のスキルを競い、全国から優秀なアルバイト・パートさんが集ってきます。
企業様によっては、その演出やネーミングも凝ったものになっていて、
さながら、芸能界のあの賞を彷彿とさせるものまでありました。
その様子を見て「あのコンテストに出てみたい」と応募してくる方もいるそうですが、
何よりも、そこで実際に働いている方のスキルの高さや、キラキラと輝いている姿が、
応募者を惹きつけるのかもしれません。
また、ちょっと大規模な例になりますが、ホテルのパーティルームや大型客船、クラブや遊園地
そして、コンサート会場やスポーツ施設などを借り切って、
アルバイト・パートさん向けのイベントやパーティを行なっている企業様もいらっしゃいます。
ある企業様のそれは、年に一回。
その年の優秀なアルバイト・パートさんの表彰式に始まって、
薄型テレビや人気のゲーム機などを景品にしたゲーム大会と続き、
各店舗対抗のかくし芸大会まで…。
久しぶりに出会う他店舗の仲間たちとの交流。
「自分が働いている企業は、こんなにもたくさんの仲間がいるんだ」という発見と、
「一緒に何かを成し遂げているんだ」という貢献感に、新たな想いが湧き上がるとも言います。
その後は、社長様や役員様も交えた懇親会の席。
普段なかなか直接話すことのない社長様に、
「みんなの頑張りで、この一年は○○まで成長することができた。本当にありがとう!!」
と声を掛けられ、アルバイトさんが感極まって涙ぐむシーン。
その後自然発生的に、社長様や表彰されたアルバイトさんの胴上げが始まり、
とても感動的なフィナーレへと続きます。
当社に応募すると、こんな感動と出会える。
それを、採用力の素材に活用するわけです。
もう一方で、小規模なものでは、店舗や地域ごとでのボーリングやソフトボール大会。
近隣の河辺や海水浴も兼ねてのバーベキュー大会なども、広く行なわれています。
いやいや、でも準備や段取りの手間ひまを考えると…という場合でも、
例えば、店舗ごとの新人さんの歓迎会開催などでも、
充分、採用力の向上に繋がります。
実際、歓迎会の写真を素材として求人広告をつくり、
応募効果を飛躍的に向上させた事例がありました。
先輩のメッセージが寄せ書きされた大きな歓迎垂れ幕と、
たくさんの先輩アルバイトさんたちの笑顔。
その真ん中で、恥ずかしそうにはにかむ新人さん。
「こんなに歓迎されて、僕、ホント頑張ります!!」のコピーが
写真の横に添えられ、お店や働く方々の雰囲気の良さが
ひと目で伝わったのが良かったようです。
これらの取り組みは、もちろん、採用力向上のためだけのものではありません。
職務レベルの向上、コミュニケーションの向上、
士気の向上、モチベーションUPなどを含め、
一体感形成や定着力UP、育成力UPにも繋がっています。
そうして、一石二鳥、一石三鳥の効果をもたらすことも、
手間ひまが掛かるにもかかわらず『イベント』が広く、多種多様な形で
活用されている理由なのかもしれません。2011.08.10