コラムNo.24からご紹介している『採用力』という考え方。
今回は、その2つめの要素についてご案内いたします。
前回までの“企業力”や“お店力”より、もう少し手を付けやすい2つめの要素。
私が、“人事制度”や“人材活性施策”などに傾倒するきっかけにもなった、
その要素Bは、“募集条件”や“処遇”の工夫です。

詳しくはこれも、上図に整理しておきましたが、
確かに給与や待遇は、悪いよりは良い方が応募者は集まる…というのは、
皆さん納得のことでしょう。
ですが、「募集条件や処遇を工夫する」ということは、
給与や勤務体系、福利厚生だけを指すのではありません。
職種の呼称や仕事をする環境、そして人事制度等の工夫や充実度も、
これに含まれます。
給与を高くすれば応募者は集まるから…と時給に目を向ける前に、
より少ない予算で、高い効果を上げるポイントも
たくさんあることを知って頂きたいのです。
この中で、アルバイト・パート活用の諸制度例は、後述になりますが、
“育てる”“活かす”の項で、さらに詳しくご案内できるかと思います。
この回では、紙面の都合もありますので、まずそれほど予算もパワーもかからない、
2つのポイントを取り上げ、少し掘り下げておきましょう。
まず、職種の呼称の工夫です。
これは特に、流通業や飲食業、サービス業界などでは、現在、広く浸透しています。
なかでも、アルバイト・パート比率の高い企業様ほど、
より工夫されていることが多いものです。
単にアルバイト、パートではなく、パートナー、キャスト、クルー、メイト、○○スタッフ…。
アルバイト・パートさんのキャリアパスプランと併せ、昇格するごとに
呼称を体系化されている企業様もいらっしゃいます。
『パートナー』は、アルバイト・パートではなく、“一緒に志を共にする仲間”という
想いが込められている…という企業様がいらっしゃいました。
『キャスト』は、アルバイト・パートではなく、“物語や作品を一緒に作り出す役割をもった者”。
『クルー』は、同じ船や飛行機で、“一緒にゴールを目指す乗組員”。
アルバイト・パートを募集するのではなく、“同じ志で共に歩む仲間”、
“一緒に事業を運営する同志”を募集するわけです。
この工夫については、募集効果を高めるだけでなく、
チームワークや、アルバイト・パートさんの仕事意識を高める効果も特筆しておきます。
ライフスタイルによって勤務日数や時間などが違うだけで、仕事内容や責任は同じ。
そんな風土の醸成にも一役買っていて、導入している企業様の多くは、
アルバイト・パートさんが活き活きと働き、大活躍しています。
次に、勤務日数や勤務時間について。
特に、アルバイト・パートの募集においては、この柔軟さの工夫が
応募効果を高める、大きな打ち手の1つです。
たくさんの企業様の採用のお手伝いをしながら、よく経験することですが、
例えば
●「1日8時間フルタイム、週5日勤務」でないと応募できない“募集条件”
●「1日8時間フルタイム、週5日勤務」でも 「1日3時間〜8時間、週2日〜5日」でも、どちらも応募できる“募集条件”
この2つがあった時、一般的に、応募者数は後者の方が圧倒的に増えるものです。
集合の図を思い浮かべて頂くと分かりやすいのですが、後者の状況では、
ターゲット(採用対象)が、より幅広い属性やライフスタイルの層まで広がるので、
応募可能な人口自体が、劇的に増加するのです。
「1日3〜5時間、週2〜3日」を希望している方の中にも、優秀な人材はたくさんいます。
採用力を高めるために、応募可能層を広げ、ターゲット人口自体を増やす…。
近年、消費行動にも現れているように、時代は、多様性へ大きく変化しています。
ダイバーシティ・マネジメントという言葉が急速に注目されているように、採用においても、
まさに多様性への対応をした組織が成功する時代になってきているのです。2011.07.27
※弊社も、ファミリーフレンドリー企業、名古屋市女性の活躍推進企業に認定される等、
多様化への対応を進めた、様々な施策を実施しています。
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