『OJT』と『Off-JT』の項の最後に、もう一つだけ付け加えておきたいことがあります。
それは、前々回でご案内した図の「直接指導育成できる部分」である、
『知識』『スキル』『考え方』『マインド』の4つは、バランスよく育成するということです。
前回登場の自動車学校ではないですが、自動車は、4輪が『同じ大きさ』の時、
一番スムーズに走れる…のと似ています。
4輪が不揃いでも、最初の低速の時(≒成長初期)はなんとか走れはします。
けれど、スピードが上がり高速になるほど(≒成長が進むほど)
走行はギクシャクして、無理が出て、どんどん危険な状態になってしまうでしょう。
『知識』だけでも頭でっかちになってしまってだめ。
『スキル』だけでも『知識』の裏打ちがないのでだめ。
そして、ここに、健全な『考え方』や『仕事に向かう姿勢』や『心構え』がなければ、
いくら『知識』と『スキル』があっても、もっとだめなのです。
自動車学校でも、知識やスキルと一緒に、『命の大切さ』や『自動車を運転する心構え』、
それゆえに『安全運転』が如何に大切なのか?
…だから交通標識というものがあって、…というルールがあって、
…免許には点数があって…と、教え込みます。
テクニックだけで、心が籠もっていないウエイター…
知識はあるのに、お客様の想いを考えられない販売員…
逆に、想いはあるのだけれど、知識やスキルが足りない営業マン…
前々回でご紹介した図がそうであるように、育成の基礎、ベースは『心構えや姿勢』です。
そして、「知識」や「スキル」は『考え方』が間に入って繋ぐことで、 初めて『望ましい行動』として実行されてゆきます。
その「動作」は、「どんな想いのもと」「何を実現するために」そういう動作をするのか。
その「想い」は、なぜ大切にしたいのか。
あなたがお客様だったらどう感じる?
あなたがお客様だったら、どっちが嬉しい?
企業として私たちが大切にしている想いは?
その仕事を通して本当に実現したいことは?
果ては、『あなたは何のために働くの?働くってどういうことだと想う?』
『知識』や『スキル』と一緒に、それらを繋ぐ『考え方』、
そしてベースとなる『姿勢・心構え』をバランスよく高めてゆくことが、
『OJT』と『Off-JT』の項で最後に伝えておきたいコツです。 2010.08.25