では、『育成方針』を明確にしただけで、メンバーがどんどん育ってくれるかというと、
なかなかそうもいきません。
人材育成を考える時、まず現場で必ず出てくる手法が
『OJT(オージェーティー)』と『Off-JT(オフジェーティー)』です。
『OJT』は、『On the Job Training』の略で、『実際の仕事の中で育成』を促す方法。
『Off-JT』は、『Off-the Job Training』の略で、
『実際の仕事を離れ、集合研修やセミナーの形を取って育成』を促す方法。
企業における人材育成手法としては、
ここに『自己啓発』(自分で自発的に学習・訓練をする)を入れて
人材育成の三大柱と言ったりもします。
通常、多くの企業さまでは『新入社員』が入社をすると、
まず実際の仕事に就かせる前に「集合教育」の形をとり、
『Off-JT』を一定期間行うことが多いでしょう。
一般に『Off-JT』には、
①キャリアや階層別 ②職務や職能別 ③課題別 …等の種類がありますが、
入社後最初の「①階層別」の『Off-JT』というわけです。

ここで、上の図でいう、「マインド」(心構え・仕事への姿勢)や「知識」、
「考え方」…等を教え、基本動作等の「スキル」を練習、訓練していきます。
そして、実際の部署へ配属となり『OJT』へ。
実際の仕事の現場で、『育成担当者』や『上司・先輩』の指導のもと、
成功体験や失敗体験を繰り返しながら、『Off-JT』で得た「知識」を深めさせ、
「考え方」や「マインド」を更に磨き、「スキル」を更に高めていくのです。
ここでとても重要なことは、
『Off-JT』と『OJT』の『連動性』 『計画性』 『継続性』です。
前述の『育成方針』のもと、しっかりとした意図と意志を持って、
『Off-JT』と『OJT』を連動させ組み合わせながら、計画的、継続的に行っていく…。
「あそこは人材育成が上手いよね」と言われる企業さまには、
上記を具体化した独自の『育成プログラム』が、
緻密に体系化されていることが多いものです。
皆さんの組織では、『育成プログラム』を体系化していますか? 2010.07.23